停留睾丸
精巣は個体差もありますが、生後数ヶ月でお腹から陰嚢内に下降します。
停留精巣とは一定期間を過ぎても片方あるいは両方の精巣が陰嚢内に下降せず、お腹の中や鼠径部(内股の部分)に留まってしまう状態です。
原因
停留睾丸の原因は遺伝と考えられています。そのため、交配には適さないとされています。
外観
6ヶ月齢を過ぎても陰嚢内に精巣が触知できない、または1個しか触知できない。
症状
すぐに病気の症状を示すことはありませんが、下降していない精巣は正常な性的機能が期待できません。
また停留した精巣は中年期以降に腫瘍化する可能性が高いこと(正常な精巣に比べて約13倍)が知られています。
検査
- 鼠径部の触診にて見つかることがあります。
- 触診にて見つからない場合には、超音波検査にて腹腔内に存在する精巣を探します。
- 図1)腹腔内に見つかった精巣 (6.4mmと小さい) 図2)正常な精巣(11.8mm)
治療方法
早期の去勢手術をすすめます。鼠径部の皮下に留まった陰睾丸の摘出は比較的容易ですが、腹腔内の陰睾丸は開腹手術が必要となります。