皮膚のしこり
ネコちゃんを撫でていたら… あれ?何か手に触るものがあった時。
そんな時は様子を見続けないで下さい。
原因
しこりのできる原因を大きく分けると、炎症、過形成、腫瘍の3つが挙げられます。
炎症:細菌や真菌による感染で皮膚が腫れることがあります。また、膿や液体などが溜まっている場合にもプヨプヨした触り心地に腫れることがあります。
過形成:正常な細胞が外からの刺激により過剰に増殖し、組織が大きくなった状態をさします。ヒトでいうところの『たこ』がこれにあたります。
腫瘍:猫ちゃんの腫瘍で発生が最も多いのは皮膚の腫瘍と言われています。
良性と悪性に分類されますが、猫ちゃんの皮膚腫瘍の50-65%が悪性腫瘍であるとされています。
良性腫瘍では、乳頭腫、脂肪腫、毛芽腫などがあります。
悪性腫瘍では皮膚肥満細胞腫、扁平上皮癌、基底細胞腫、線維肉腫、乳腺腫瘍などが多く認められます。腫瘍によりできやすい部位というものもありますが、基本的には良性腫瘍も悪性腫瘍も皮膚上や皮膚の直下にできることが多く、触っても痛みを感じることはほとんどありません。皮膚肥満細胞腫では皮膚炎(カサブタ)のような症状を示す事もあります。
診断方法
《針生検》 細い針を使い、腫瘤から細胞を採取する方法。
メリット:無麻酔で行え、痛みもほとんどない。
デメリット:細胞が少ない場合は検査結果を得ることができないこともある。
しこりのサイズや位置、ネコちゃんの性格によっては採取が行えない場合がある。
《切除生検》 麻酔をかけて腫瘤を切除し、検査をする方法。
メリット:小さいものであれば取りきることもできる。
デメリット:麻酔をかけて行う必要がある。
治療方法
しこり(腫瘤)の種類により治療方法は様々です。炎症の場合には、飲み薬や注射の治療で改善することがほとんどです。過形成や良性腫瘍の場合には大きさの変化を経過観察していくこともあります。
悪性腫瘍の場合には腫瘍の種類、転移の有無などにより外科的切除や抗がん剤など治療方針は様々です。
下の写真は猫ちゃんたちの皮膚にできたしこりですが。良性、悪性は見た目では判断がつきません。
皮膚のしこりは症状や原因が多様であり、早期発見と適切な治療が大切です。
気になった時にはすぐに病院へご連絡ださい。