みなさん、🌸春の検診🌸はお済みですか?
久しぶりに動物病院で体重計に乗せて、「えっ!びっくり!こんなに体重増えちゃったの!?」なんてことも。
今回は体重管理についてお話しします!
長寿の秘訣は…??
ワンちゃん、ネコちゃんの寿命はここ数十年で倍以上に伸びていると言われています。
『アニコム家庭どうぶつ白書2024』によると、犬の平均寿命は14.2歳、猫の平均寿命は14.5歳でした。
この数値はほぼ毎年右肩上がりに上昇しており、10年前に比べるとおよそ1歳伸びていることになります。
みなさんはワンちゃん、ネコちゃんの体重管理どのようにされていますか?
ヒトでは肥満度の指標としてBMIが簡便なツールとして用いられています。動物では品種間での差が大きいため、ヒトと同じ指標は使えず、ボディコンディションスコア(BCS)という肥満度を主観的に評価する診断法(表1)が広く普及しています。

☝🏻それでは、このボディコンディションスコア(BCS)を用いて身近な寿命延伸術として体重管理の重要性についてお話ししていきますね!
📌肥満と各疾患リスクの関係性についての研究📌
ワンちゃんを正常あるいは低体重、過体重、肥満の3群に分け、それぞれの群における疾患有病率を調べた結果
ボディコンディションスコア(BCS)が高いほど多くの疾患(関節炎、糖尿病、腫瘍、膵炎など)で有病率が高くなる傾向が認められました。
📌肥満は寿命と関連するか?という研究📌
肥満のワンちゃんと適性体重のワンちゃんでは寿命に約2年近く差があったという研究結果があり、また猫ちゃんでも同様の報告がされています。
このように、肥満はさまざまな疾患のリスクファクターとなり、
ワンちゃん、ネコちゃん問わず肥満は健康と寿命に密接に関わることが示されています。体型の話になると、ついつい肥満について心配しがちですが、痩せすぎも健康上の重要な問題となります。
痩せ過ぎは免疫力の低下、肝機能の低下、発育不良など大きなリスクとなり、寿命の短縮につながるのみでなく、疾病発生時に余命短縮にもつながる可能性があります。寿命を最大化するために日頃から理想体型をいかにキープするかが重要です。
💡ここでもう一つの研究結果を…太ってしまったら、ダイエットしたら良いの?という問題。
答えはNOなのです。
ワンちゃんにおいて、一度肥満になってしまうと、ダイエットに成功しても再び太らせないためにダイエット時の摂取カロリーの約10%しか食事のカロリーを増やせないという研究結果があります。
これは、一度太らせてしまうと、一生食事制限をしなければならないという結果です。
肥満になってからダイエットするのではなく、そもそも太らせないことが大切ということです。
とは言っても…すでにポッチャリ気味の子も。
⚠️愛犬の体重管理には日々の積み重ねが大切です⚠️
●日々の食習慣の見直し
おやつは高カロリーのものが多いです。
ヒト用の食べ物は糖分、脂肪分が多くワンちゃんネコちゃんに与えるのはおすすめできません。
●体重管理用のフードの使用
カロリーを減らしても栄養素や食事量が減らない
満腹感が持続する
●適度に運動
小型犬:20〜30分程度を1日1〜2回
中型犬:30分〜1時間程度を1日1〜2回(狩猟犬や牧羊犬として活躍していた犬種では1回1〜2時間)
大型犬:30分〜1時間程度を1日1〜2回
が理想の散歩時間と言われていますが、犬種、肥満度や足腰の状態によっても異なります。
まずは無理のない範囲での散歩をしましょう。
散歩の習慣のない子はまず10分くらいを目安に少しずつ時間を延ばしていきましょう。
●定期的な体重測定
2週間から1ヶ月に1度は動物病院や自宅で正確な体重を測るのがおすすめです。
●無理のない計画
1ヶ月につき1〜2%、6ヶ月で今の体重の10%を減量するくらいのゆっくりペースで行いましょう。
🤔家の食事でダイエットトライしてみたけど、あまりうまくいかない…体重管理用のフードを試してみようかな?
🤔うちの子はどれくらいの摂取カロリーが適切なのかしら?
🤔体重だけでも測ってくれるの?
まずはお気軽にご相談ください!!
当院の健康診断の結果にも5段階表記でのボディコンディションスコア(BCS)を用いて、現在の肥満度表記がされています。
半年〜1年に1回の健康診断は体重・体型の維持のほか、病気の早期発見にもつながります。
ぜひご利用ください。
※ちなみにヒトでは「太っている人と痩せている人どっちが長生き?」という調査で40代以上の日本人を対象にした調査では「標準体重よりも少し重い人が最も死亡リスクが低い」という結果があるようです😊
「参考:環境省HP、Vet i、Nikkei」