おうちの猫ちゃんがトイレを失敗して困ったことはありませんか?
猫ちゃんのトイレの失敗には、さまざまな理由があります。
その理由とは、大きく分けて3つあります
①環境
②尿マーキング
③疾患(尿結石、細菌性膀胱炎、特発性膀胱炎)

今回は①の環境についてと③の特発性膀胱炎にスポットを当ててご紹介させていただきます!
まずは①の環境についてです。
環境と言ってもさまざまな原因があります。
そして猫ちゃんはそれぞれ性格や好みも異なります。
1)猫砂の種類
固まる砂 > 固まらない砂(システムトイレ用の砂)
無臭のものの方が好まれる
砂の量は3cm以上
2)トイレの数
飼育している猫の頭数+1個以上
排尿用と排便用に使い分ける猫もいる
3)トイレの形状や広さ
あまり深くなくカバーのないもの(匂いがこもる)
体長の1.5倍の広さ
4)設置場所
静かで落ち着く場所
トイレにたどり着くまでの障害物がない
5)掃除の頻度
排泄物が残っていると排泄を我慢してしまう猫がいる
最長でも月に一度はトイレ砂を全交換する
トイレを丸洗いする
6)条件付けによる行動の強化(以前トイレで嫌な思いをした・・・など)
膀胱炎による排尿時の痛みやトイレを外してしまった時の人間の怒る声などが記憶に残ってしまい、
トイレに近づくのを嫌がる、トラウマや焦りによって失敗を繰り返してしまう・・・など
続いて③の特発性膀胱炎のリスクファクターについて
(特発性膀胱炎になる確率を高める要因とは・・・)
~ 特発性膀胱炎とは ~
猫の膀胱炎で多く見られる病気で、膀胱炎の症状があるものの、
細菌感染や尿石症などの明らかな原因が見つからない状態。

主な要因は以下の4つとなります。
1)ストレス‥多頭飼い/トイレ環境/性格(神経質や怖がり)/来客や騒音、引越し/家族構成や環境の変化など
2)肥満
3)水分摂取量が少ない
4)運動量が少ない
■水分摂取量の増やし方については下記のとおりです
①療法食にする
②ウェットフードも与える(子猫時代から慣らす)
③常に新鮮な水を用意
④食器を清潔に
⑤水皿は複数箇所に設置し、目に入る回数を増やす
⑥お皿は陶器製が好ましい
⑦味のついた水(ささみの茹で汁やちゅーる水)
■猫にとって快適な環境の為のガイドラインとは・・・
= 5つの柱 =
1)安全で安心できる場所がある
キャットタワーやベッド、隠れられる場所が用意されていること
2)猫に必要なものが用意され、環境内に複数箇所、それぞれの場所を離して設置
水、トイレ、爪研ぎ、おもちゃなどを分散させて複数箇所用意する
3)遊びや捕食行動の機会を与える
健康の維持、肥満防止、ストレス解消、問題行動の予防につながる
食べる時間を長くし、退屈な時間を減らす
4)好意的かつ一貫性があり予測可能な、人との社会的関係を構築する
猫のペースに合わせた交流を心がける
5)猫の嗅覚の重要性を尊重した環境を用意する
猫が匂いづけする場所を掃除しない
香りの強いものの使用は避ける
◎特発性膀胱炎の治療方法◎
治療法としては、鎮痛療法や抗不安療法というのがあります。
具体的な治療につきましては、お気軽にご相談ください。
猫は、こんなことで!?と思ってしまうほどストレスを感じやすくデリケートな生き物です。
ささいな変化に気づいてあげられるよう、日々のケアを習慣にしましょう!